芳名帳に記帳するときや書類にサインをするとき、手がふるえてしまいます。家族からは体質だろうと言われていますが、人前や会社で恥ずかしい思 いをし、困っています。病気でしょうか。 (45 歳・男性)



 文字を書くときに手がふるえるというのは、本態性振戦の患者さんの訴えで最も多いものです。日常生活に困るようであれば、一度神経内科を受診することをおすすめします。





なにもしていないとき、ふと気づくと左手や左足がふるえています。意識するとふるえを止めることはできるのですが、これも本態性振戦のふるえでしょうか。(62 歳・男性)



 本態性振戦では手のふるえが多く、しばしば頭のふるえを伴いますが、足のふるえはまずありません。
 お問い合わせは安静時のふるえであること、意識すると止まること、体の片側に症状が出ていることなどから、パーキンソン病の可能性のほうが高いと思われます。神経内科を受診し、相談してみましょう。





甲状腺機能亢進症でも、ふるえがひどくなると聞きました。ほんとうですか? (23 歳・女性)



 甲状腺機能亢進症で、生理的なふるえが強く現れることがあります。甲状腺ホルモンが過剰に産生されるこの病気は、新陳代謝が活発になるために体重が減ったり、汗をかいたり、脈が速くなったりします。ふるえも一種の興奮状態ですから、生理的なふるえが強く出ることもあります。
 甲状腺機能亢進症の治療を受けてホルモンの産生が正常に近くなれば、強いふるえも治まってきます。





本態性振戦の治療にはβ遮断薬がよく効くとのことですが、1 日何回も飲むものなのでしょうか。飲み忘れたりすると、また悪くなるのですか?(71 歳・女性)



 β遮断薬は症状に応じて、医師の指示に従って服用するものです。この薬は服用後約30 分ぐらいで効果が現れ、4 〜5 時間持続します。したがってふるえの頻度が多ければ、1 日2 回、朝と昼に服用するのが通常ですが、症状によっては1 日1 回のこともありえます。
 また、本態性振戦の患者さんは精神的緊張でふるえが強くなりますから、ふるえると困るという日や時刻に合わせて、その日の2 、3 日前から薬を飲めばよいでしょう。
 不規則な服用であっても症状が悪化することはありませんので、薬を飲み忘れても心配ありません。





β遮断薬にも副作用はありますか。(56 歳・男性)



 β遮断薬はもともと高血圧や不整脈の治療に使われてきた薬です。作用として、血圧を下げたり、脈拍を遅くしたりということがあります。したがって、治療中に脈拍が遅くなりすぎるようなことがあった場合は、使用量などの検討をします。また、薬を服用すると精神的に不活発になったり、性欲が低下したりという障害が現れることもあります。副作用には充分に注意し、いずれの場合にも必ず医師に相談をしてください。
 ほかに疾患のある場合や現在治療中の人がβ遮断薬を使用するときは、特に専門医の指導を受けることが不可欠です。